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【翻訳】ヨーロッパで進行中のディーゼル公害の問題

2016年04月17日
csij 【203. 市民研通信】

一度のスキャンダルを超えて
ヨーロッパで進行中のディーゼル公害の問題

Charles W. Schmidt

翻訳:五島廉輔、五島綾子、上田昌文
原題:Beyond a One-Time Scandal: Europe's Ongoing Diesel Pollution Problem
『環境健康展望』124巻1号A19、2016年1月
Environ Health Perspect, volume 124, issue 1, A19, January 2016
                      
(著者について:MSはポーランドの受賞経験のあるサイエンスライターでDiscover Magazine, Science, および Nature Medicine.に書いている。)

pdfファイルはこちら→csijnewsletter_035_201605_goto_02.pdf

2015年9月、フォルクスワーゲン社は米国の同会社で販売されたほぼ50万台のディーゼル車が路上での排気ガス規制を無効にする違法な"ディフィートデバイス(車からの有害な排気物質を試験時のみ減らす装置)"を搭載していたことを公表した。 この告白は米国環境保護庁(EPA)(注1)により特定のフォルクスワーゲンモデル車の窒素酸化物(NOx2))の連邦政府排気基準値が実験室の試験条件下でのみ適合していることを確定された後に出てきたものである(文献1)。 

EPAは個人の運転習慣や道路状態に応じて影響される2.0Lエンジンの現実のNOx排気量が米国基準値70 mg/mileより40倍も高かったことを見出した。同様にスポーツ車やより大きい車の3.0-Lエンジンからの排気量は基準値の9倍に達していた(文献2)。このスキャンダルはそれ以来フォルクスワーゲン社、子会社のアウディ、ポルシェ社によってほとんどヨーロッパで販売された推定1100万車にまで波及した(文献3)。

ディーゼル車は米国で運転されている普通車とピックアップトラック(大型以外のトラックの総称)の丁度3%に相当し、この違法な装置を搭載している車はディーゼル車、ガソリン車を合わせた全車の0.5%以下とAllen Schaeffer(nonprofit Diesel Technology Forum、事務局長)は述べている。Gary Bishop(the Department of Chemistry and Biochemistry at the University of Denver. 研究助手)は、健康の観点から、不正なフォルクスワーゲン車からの排気量はあまりにも少なく問題にならないのかもしれない、何故ならば、そのような車は非常に少ないからであるという。

これと対照的に、ヨーロッパでは乗用車の半数以上がディーゼル車である。それ故にディーゼル排気物質が都会の大気質を悪くする主要な原因物質であるので、このスキャンダルはヨーロッパにおける持続的NOx汚染問題にスポットライトを当てる付加的効果をもたらした。排気量違反の潜在的健康影響を理解するためには、まずディーゼル排気ガスの種々の成分に関連するリスクが理解される必要がある。

【続きは上記PDFファイルにてお読みください】

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