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【翻訳】 予期されなかった活性:BPA代謝産物が肥満の原因に

2016年03月11日
csij 【203. 市民研通信】

予期されなかった活性:BPA代謝産物が肥満の原因になる証拠

Wendee Nicole

『環境健康展望』(Environmental Health Perspectives) 123巻12号(2015年12月)より
翻訳: 五島綾子・五島廉輔・上田昌文

原題:Wendee Nicole
"Unexpected Activity: Evidence for Obesogenicity of a BPA Metabolite"
Environmental Health Perspectives VOLUME 123 ISSUE 12 DECEMBER 2015 A303

著者について:Wendee NicoleはDiscover, Scientific American, 他の刊行物に記載している。

pdfはこちらから→csijnewsletter_034_goto_02_20160311.pdf

 ビスフェノールA(BPA)は肥満原因物質―脂肪細胞の成長や脂肪の蓄積を促進して脂肪代謝を変える物質―と指摘されてきた(文献1,2)。BPAは体内で速やかにその主な代謝産物であるBPA β-D-glucuronide(BPA-G)に変化する。この物質は生物学的に不活性であると考えられていた(文献3)。しかし、Environmental Health Persoectivesのこの号に報告された研究では、BPA-Gがその元の物質であるBPAと同様に成熟して脂肪細胞になる脂肪前駆細胞(preadipocyte)と呼ばれる前駆細胞を誘導できることを示している(文献4)。

 一つの実験ではマウスの脂肪前駆細胞が10μMのBPA-Gで処理された。この実験では脂肪蓄積の顕著な増加とたんぱく質である3種の脂肪生成マーカー(lipoprotein1), aP22)とadipsin3))の高い発現を示すことを見いだした。 一方ヒトの脂肪前駆細胞に0.05μMと0.25μMのBPA-Gを作用させてaP2たんぱく質レベルを測定した結果、脂肪細胞への分化が促進されたことを見出した。しかしながら、乳がん治療に用いられるエストロゲン受容体(ER)拮抗剤であるフルベストラントと共に作用させるとBPA-G単独でみられた変化は阻害されていた(文献4)。

 著者らはBPA-Gは元の物質BPAと違って直接的なエストロゲン活性を持たないことも観察している。同時に脂肪生成に対する効果はER拮抗剤によって阻害された。さらに非古典的なERシグナル伝達系の効果、言い換えればERとDNA間の直接的相互作用が関与しない効果であることも示唆している。そして別のまだ同定されていないメカニズムの可能性をも認めている(文献4)。

 著者らは異なった種がどのように反応するかについて差があるかどうかを調べるためにこの実験にヒト細胞を加えた。チームリーダーのElla Atlas(Health Canada's Environmental Health Science and Research Bureau, 科学者)は次のように述べている。

 "論文にみられるようにヒト細胞も同様に反応した。我々はBPA-Gが活動的であり、ヒトの脂肪前駆細胞においてより効果があると思えたことに驚かされた"と。


【続きは上記PDFファイルでお読みください】

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