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博物館はいくつありますか?

2015年08月04日
csij 【203. 市民研通信】

連載:博物館と社会を考える
第2回
博物館はいくつありますか?
林 浩二(千葉県立中央博物館)

pdfはこちらから→csijnewsletter_031_khayashi_20150715.pdf
第1回の記事はこちら


◆著者 プロフィール◆
1957年、東京都生まれ。茨城大学大学院理学研究科生物学専攻修士課程修了。財団法人日本自然保護協会を経て1989年11月に千葉県立中央博物館に学芸員として着任、現在に至る。専門は生態学・環境教育・博物館教育。日本環境教育学会理事(2015〜16年度)。

 
 
 前回は、資料を持たない科学館が博物館かどうかを調べて、資料・標本などの「コレクション」があること(だけ)が重要というわけではなく、heritage(遺産)を扱うことこそが本質であるように認識されるようになりつつあること、美術館も歴史博物館も自然史博物館も、動物園や植物園も、資料を持たない科学館も博物館とされていることを確認しました。

美術館とギャラリー

 実は、美術品を扱う施設の中にも永続的なコレクションを持たないものがあります。永続的なコレクションを持つ施設を美術館と呼び、他の美術館や個人所有者から一時的に借用して展示を行う施設をギャラリーと呼ぶ言い方も確かにあります。なお、販売を主目的として、展示スペースも備えた商業施設もギャラリーと呼ばれますがここでは扱いません。

 国立新美術館(http://www.nact.jp/)(東京都港区)は永続的コレクションを持たず、企画展や公募展会場として機能しており、英文名称は "The National Art Center, Tokyo" です。国立新美術館と同じく、独立行政法人国立美術館の構成館でもある東京国立近代美術館(http://www.momat.go.jp)(東京都千代田区)や国立西洋美術館(http://www.nmwa.go.jp/)(東京都台東区)はコレクションを持ち、英文名称がmuseumですので、同一組織内でも、いくらか違って意識されているようです。

 一方、ギャラリーという名称であっても、膨大なコレクションを誇るロンドンのナショナル・ギャラリー(http://www.nationalgallery.org.uk/)やワシントンDCのナショナル・ギャラリー(http://www.nga.gov/)もあり、ミュージアム/ギャラリーの範囲は様々だと言えます。

 一時的にせよ美術品あるいは文化財等を収蔵・展示する施設には永続的コレクションを持つ施設と似た、ないし同程度の機能が求められることを考えれば、コレクションの有無だけで機械的に区別することに意味がないことは容易に理解できるでしょう。日本における文化財の「公開承認施設」については後述します。

【続きは上記PDFファイルにてお読み下さい】

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